湯浅篤志「趣味のモダン・アラカルト」
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ヒラヤマ探偵文庫Ex.08 A5判164ページ 2024年5月19日発行 ★ 大正、昭和から戦後へと続く、文人、世間の〈趣味〉への関わり方をとりあげたエッセイ集。大正文学研究者、湯浅篤志『夢見る趣味の大正時代』(論創社、2010)の続編になります。大正の初めは不景気の時代でした。すぐに第一次世界大戦が始まり、関東大震災があり、昭和を迎えます。モダンの喧噪にあけくれ、辛く悲しい戦争を生き、戦後なってようやく生活を取り戻すことができました。そうした時代を生きてきた市井の人々は、どのようにして普通の生活を楽しんできたのでしょうか。文化の先端に触れ続ける文人たちの〈趣味〉のまなざしを通して、世間の流行や現象に切り込んでいきます。また、鉄道ジャーナリスト青木槐三が昭和4年に書いた「駅弁名物 汽車の旅」(『サンデー毎日』所収)を取り上げ、日本全国の駅弁を紹介します。こんなにたくさんの美味しそうな駅弁があったんですね。戦前の駅弁研究家は必携です。 〈目次〉 収録した「趣味のモダン・アラカルト」は、たくさんの短いエッセイで成り立っています。その章題をあげてみます。 「明るみへ」「『明るみへ』から『行人』へ」「軽井沢の別荘」「カチューシャの唄」「博文館の『寸鉄』から」「白石実三と長田幹彦」「喰べる会」「ハイカラとモダン」「女中が足りない」「『地主の長男の会』?」「大正時代の不良少女」「仁丹の廻転広告塔」「大正8年末の『新青年』と『少年少女譚海』の世界」「日本性学会とカルピス」「カルピスで若返る」「杉浦非水のやさしさ」「トマト御飯」「目茶此の夏休み日記」「パンタライ社」「印税で洋行しよう」「婦人探偵、中原八重子」「河合ダンスの東京初進出」「アメリカ映画は大嫌い」「余技はいかが」「パントマイムって、何だ?」「久米正雄と男性四重唱団」「近松秋江は西洋料理がダメ」「谷崎潤一郎、フランスは遠かった」「快楽はラヂオ電波の如く」「菊池寛とラヂオ」「ラヂオと芸術」「正岡容とタルホ・イナガキ」「〈夢〉の文学」「銀ブラ、浅草観音、そして古賀春江」「石坊主、清水石松」「江戸川乱歩の『火星の運河』」「東京駅の富山房で売れている雑誌」「上野不忍池畔の大花火」「競馬が当たらない」「猫実と早稲田は馬鹿で金を溜め」「片岡鉄兵の夏と冬」「ラリルレロ玩具」「昭和二年にニュージーランドのラジオ放送を聴く」「探偵小説の夕べ」「ある崖上の感情」「昭和四年の就職難」「ダン・道子と『新青年』」「サロン春」「猫猫荘贅筆」「カジノ・フォーリーの娘たち」「カジノ・フォーリーの全盛期」「ダイナマイトを食べたい」「シック・ガール、シックボーイ」「ステッキガール登場」「円タクガール」「妙義の蜃気楼」「護国花街風景座談会」「浅草の五階」「上野の二本杉」「『日の出』における江戸川乱歩の座談会」「短波放送が聴けない」「戦前、戦中、戦後のラジオ」「教科書に載ったラジオの働き」「戦後の『夫婦生活』」「シヤヨウナラ」「カストリ博士の不思議な実験」「昭和24年のアベックホテル」「アメリカの影」「放送五人娘、青春おしゃべりパーティ」。 以上が章題でした。 「昭和4年の名物駅弁」は、また別の話です。こちらは日本全体(樺太、朝鮮を含む)の名物駅弁の紹介になります。お楽しみに。